アヒルネ

全く為にならない文章の数々です。

映画館のマッチング席という画期的なLOVEシステムを考案しました

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映画によく一人で行く。

二人で行けたらなあ、なんて思いながらよく一人で行く。

気になっている人から「○○って映画、見に行かない?」と連絡があり、○○はもう既に友達と見ていたのだけど「あ、それ見たかったやつー!」とか言って二人で行きたい。2回見たことで鋭く研磨された哲学的考察を徹底的に語り倒して尊敬されたい。

 


まあそんなことはどうでもいいのですが、この前いつものように一人威風堂々と映画を観に行ってきた。

慣れた手付きで一人分のチケットを手配し、一人分のアイスティーを購入し、一人分の席に着席し、二人で談笑する多数のカップルを睨みつける。見渡せど見渡せどカップル。分け入っても分け入っても青い春。いったいどうなってるんダ・ヴィンチ

しかし、その中に一人で来ている女子もチラホラ存在することに気が付いた。

エゲツナイほどカップルが蔓延るこの混沌とした亜熱帯空間に、アスファルトに咲く一輪の花の如く、弱々しくも逞しく生きる彼女たち。その悲愴感を帯びたオーラは確実に同胞のそれ。

そう、独り身シングルガールだ。

 

 

 

で、ここで思ったんですけど、

二人で観たいシングル男子と、二人で観たいシングル女子がマッチングするシステム

があったら素敵では? うん、普通に素敵。

 

 

 

そうだ、映画館に「マッチング席」というシステムを導入しよう。

 

概要はこうです。


1. まずシングル男子、シングル女子はチケットを購入する際「マッチング席」を選択し、性別や性格、趣味などの基本情報を入力します。

 


2. するとAIによって最も気の合う2人が隣になるよう席を指定されます。

どんな人とマッチングするのかドキドキする時間も刺激的です。男性は女性の分のドリンクを用意してあげましょう。

 


3. 上映時間になるとついに二人は出会います。

コミュ障だとしても心配いりません。軽く自己紹介でもしておけばすぐに映画が始まりますし、そもそも館内での盛り上がるおしゃべりは厳禁です。

 


4. そして映画が始まるとそこは二人だけの世界

その時観た映画は二人が出会った運命の一本となるのです。英語で言うとDestiny Ippon。なんてロマンティックなんでしょうか。

 

 

 

 

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マッチング席チケットには近くの喫茶店で使えるクーポンが付いています。

映画が終わった後はそれを口実にカフェへ向かいましょう。ゆっくりと映画の感想を述べ合ったり、たわいもないおしゃべりをして二人の事をもっとよく知るのもいいでしょう。

 


結婚式では二人が出会った運命の一本が上映されます。

甘く切ないラブストーリーでも雰囲気が出ますし、思わず笑ってしまうようなコメディだとしても良い思い出になるでしょう。

 


倦怠期となり、喧嘩してしまった時はその映画のDVDを流します。

出会った頃の新鮮な気持ちを思い出させてくれるでしょう。そのあと「映画でも観に行こっか」と誘えば仲直り間違いなし。

 


二人はおじいさんとおばあさんになってもその映画を観ます。

目が悪くなって字幕は見えなくとも、そこには二人の愛の歴史を感じることが出来ます。思い返せば、この人生は僕と君とこの映画の三人四脚だったなあ……などと感傷に浸れば、なんだか涙が出てきます。

 

 

 

ああ、なんて素晴らしい。なんてドラマティック。

ああ、ああ、僕たちの映画館マッチング席よ、永遠なれ……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

臭いおっさんとJKみたいな犯罪的構図がしばしば完成する問題点を除いて完璧ですね。